こんにちは、上田美穂です。
「フリーランス保護新法」って知っていますか?
正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、フリーランス新法やフリーランス保護新法といった別称もあります。
2024年11月から施行されるこの法律は、フリーランスの方々の働き方を大きく変える可能性を秘めています。
ランサーズ株式会社が実施した調査によると、フリーランスの約8割が新法の存在を知っているとのこと。
しかし、その内容まで理解している人は3割程度にとどまっているという結果が出ました。
プレスリリース
調査概要
ランサーズ株式会社が実施した「フリーランス保護新法に関する実態調査」では、フリーランス(個人事業主・副業含む)として働く400名を対象にアンケートを行い、その結果を公表しました。
本調査は、フリーランスの現状と課題を明らかにし、今後の政策や対策に活用されることが期待されています。
調査結果の要約
調査によると、約8割のフリーランスが「フリーランス保護新法」を認知している一方で、内容まで理解しているのは34.3%に留まっています。
過半数のフリーランスが発注トラブルを経験しており、新法の施行によるトラブル軽減が期待されています。
また、ハラスメント被害を経験したフリーランスは48.7%で、その中で最も多いのは「パワーハラスメント」で26.5%でした。
育児休業取得に関しては、フリーランス男性は41.8%、フリーランス女性は62.2%と、一般雇用者と比較すると男女で異なる結果が見られました。
フリーランス保護新法の認知度と期待
「フリーランス保護新法」を認知しているフリーランスは全体の76.3%に達しているものの、内容まで理解しているのは34.3%にとどまっています。
新法に最も期待されているのは「禁止行為の義務化」で、取引条件や報酬に関する改善が求められています。
発注トラブルとハラスメント被害の現状
調査によると、過半数のフリーランスが何かしらの発注トラブルを経験しています。
特に、納品や支払いに関するトラブルが多く報告されました。
また、ハラスメント被害を経験したフリーランスは48.7%で、パワーハラスメントが最も多いとされています。
被害者の多くは家族や公式窓口に相談して対処していますが、対応しなかったケースも15.4%見られました。
育児休業取得率の比較
フリーランス男性の育児休業取得率は41.8%で、一般男性の17.1%を大きく上回っています。
一方、フリーランス女性の取得率は62.2%で、一般女性の80.2%と比較して低い結果となりました。
これは、フリーランスの特性が影響していると考えられます。
フリーランスは自分の裁量で働けるため、男性は育児休業を取得しやすい一方、女性は「働かなければ仕事がなくなる」という不安から取得を控える傾向にあると見られます。
フリーランスでも残る男女差
今回の調査結果から、フリーランス保護新法に対する認識と理解の差、発注トラブルやハラスメント被害の現状、育児休業取得率の男女差が明らかになりました。
これらの結果を踏まえ、フリーランス保護新法の周知と内容理解を促進し、フリーランスの働きやすい環境を整備することが求められます。
また、育児休業に関する支援策の検討も重要です。フリーランスの現状を把握し、適切な対策を講じることで、より安心して働ける環境が実現されることを期待します。